東京高等裁判所 昭和30年(う)413号 判決
被告人 原田実
〔抄 録〕
弁護人控訴趣意第二点について。
然し乍ら、匕首の不法所持とこれを示しての恐喝とは犯罪構成要件も異なり被害法益も異つているから、被告人が本件恐喝行為を為すに用いた匕首が不法所持にかかるものである以上、恐喝行為と不法所持行為とは別個の行為であり、別個の犯罪と見るべきであつて、一個の行為と見ることはできない。それ故原判決が原判示第一、第二の各恐喝未遂の行為と、判示第三、の匕首の不法所持の行為に対し併合罪の規定を適用し、刑法第五四条第一項前段の規定を適用しなかつたのは相当であつて(同趣旨最高裁判所昭和二四年(れ)第一二二六号同年一二月八日第一小法廷判決及び昭和二五年(れ)第一五四四号昭和二六年二月二七日第三小法廷判決参照)、論旨はその理由がない。